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  • 2018.07.31 Tuesday

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    できれば平穏に仕事をしたい/『正しいブスのほめ方』

    • 2018.07.31 Tuesday
    • 05:37

    JUGEMテーマ:オススメの本

     

    職場に口の悪い人がいる。

    側で聞いていると「そんな言い方しなくてもいいのに...」と思ってしまう人。

    「あなたがそういう言い方をするから問題がこじれるんでしょうが」と言いたくなる人。

    本人は意地悪をしているかもしれないけれど、もしかすると悪気はないのかもしれない。

    ただそれ以外の言い方や、人との関わり方をよく知らないだけなのかもしれない。

     

    そういう人とは適切な距離を持ちつつ、仕事で必要なコミュニケーションは最低限できるようになりたいよね。

    と思った時に思い出したのがこの本。

     

    「ブス」って言葉は未来永劫全人類に禁句にしたいぐらい嫌いだけど、

    まぁ本の話だし、ここに載っているのも「例えば」という過程の話なのでちょっと多めに見てほしい。

     

    「褒める」ってとても良いコミュニケーションの方法で、基本的に「褒められて気を悪くする人」はほとんどいない。

    そして生きていると「なんとしてでも目の前の人を褒めなきゃいけない」という場面に遭遇することがある。

    しかし、人類みんなわかりやすく褒めやすい人ばかりじゃない。

     

    この本がすごいのは、どうしても欠点が目立ちすぎて美点が見つかりづらい人だけではなく、

    逆に美点が多すぎて「褒められ慣れているだろう」という人に対してのアプローチも入っていること。

    明らかに美人だったりかっこよかったり、仕事がとても良くできてみんなから尊敬されていたり...

    そんな人に「あ、今褒めてくれたんだ」と素直に喜んでもらえるような言い方がたくさん入っている。

    もちろん、どんな風に言うかは読者次第なので研究は必要だと思う。

    もし相手がこの本を読んでいたら「あ、あの本の言い方真似してるな...」って感づかれるかもしれないしね!!!

     

    ここまで書いて思い出したことがある。

    代官山蔦屋書店のブックコンシェルジュ:間室道子さんの「プロフェッショナルの仕事には『予想外の驚き』が必要なのよ」と言うお話。

    例えば本屋には、ただ本を探すと言うだけでなく「自分が思う正解が書いてある本」を探しにくる人がいるんだそうだ。

    (図書館でもありそうだね...そして自分もやりがち...汗)

    そう言う人は、こちらがどんな本をすすめても、自分の理想に当てはまらないと「違う!」と受け取らない。

    そんな時「本人の希望に沿っているが、本人が思いもよらない角度からのアプローチ」で接すると

    「その視点があったのか!」と驚き、受け入れてもらえることがある。

    (...うまいこと言えてるかわからないけれど)

     

    私の話だと...

    以前、Diorというブランドの「マキシマイザーというリップグロス」を探しに出かけたときのこと。

    当時ついてきてくれた母親は「え〜、Diorって高いじゃんなにそれ」状態だったのだけれど、

    私がデパートの売り場で店員さんに話しかけ、色々紹介してもらううちに自分もグロスや口紅を試していた。

    かなり色数を出してもらって、結構時間が経っていたと思う。

     

    すると店員さんが「お待たせしてすみません。よろしければこれを」と言って香水をつけさせてくれた。

    香りは甘さがありながらも柑橘系のさっぱりしたもので、母親と目を丸くしながら「いいね!」と言い合った。

    店員さんは「おふたりのイメージから選んでみました」とおっしゃっていたけれど、

    口紅選びでちょっとくたびれた空気を一発で変えたすごい瞬間だった。

     

    すごいのは普段「香水なんか嫌い」と言う母親が「これください」と、その場で1瓶購入を決めたことだ。

    この店員さんのおかげで「素敵な香水がある」と教えてもらえたのでとても感謝している。

    (本当はDiorのカスタマーセンターあたりに伝えるべきなんだけど、もうだいぶ前のことなのでここで許してください)

     

    そんな「予想外の驚き」でコミュニケーションを円滑にできるチャレンジ。

    きっかけの一つとして、この本をどうぞ。

    「ああ、私の太陽」/映画「ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣」

    • 2018.07.29 Sunday
    • 16:15

    JUGEMテーマ:映画

     

    いやぁその、凄い映画だったのよ。

    「ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣」(原題"DANCER")

    渋谷アップリンクでみれてよかったと思う1本。

    バレエが好きだ、という人だけではなく、バレエダンサー志望な人にも見て欲しい。

     

    Hozierの楽曲"Take Me To Church"バレエダンサーが踊っている動画がある、というのは知っていたけれど、

    それがこんなにお茶目で明るくて普通のお兄ちゃんな人だったとは...。

     

    ウクライナ出身の19歳、セルゲイ・ポルーニンが一躍注目の的となったのは、

    バレエ界の最高峰「英国ロイヤル・バレエ団」の史上最年少男性プリンシパルになったから...

    だけではなかったと。

    この映画では、セルゲイ自身、彼の家族、友人のインタビューを重ね、

    彼が送った半生と、"Take Me To Church"を踊るまでを描いている。

    そこにいるのは、実力を生かすために努力を重ね、同時に離れて暮らす家族を大事にしようとする繊細な青年だった。

     

    私が見ていてうっ...と来たのは、セルゲイ自身のバレエが素人目に見てもとても素晴らしいことと、

    成功者の物語にありがちな「どん底からの這い上がり」に収まっていなかったから。

    序盤では、ウクライナから英国までの旅費、バレエ学校の入学費用、授業料、現地での滞在費など、

    とにかく「バレエを続けるためにはお金がかかってしまう」様子が描かれている。

    セルゲイのため、と両親だけでなく祖父母もできる限りの仕事で稼いでおり、

    そのためにすれ違いが続いてしまう...。

    セルゲイもそこに気づいていて、でも自分はプリンシパルとして大絶賛の嵐を浴びている...。

    自分が手に入れた成功で家族が傷ついた、とわかってショックだったんだと思う。

     

    友人からのエピソードで、羽目を外すときは外すし、

    実家に帰ったら親と話しつつ飼い猫をなでているし、

    お酒を飲んで寝ちゃった時に顔に落書きされているし、

    雪が降った時に外でパンイチで踊っちゃうし...な場面もあって

    バレエ以外ではもうフツーのお兄ちゃんなのかなと思って。

     

    途中で「もう自分は誰も愛さない。誰も自分を愛さなくていい」といったセリフがあって、

    一番苦しいのは彼なのに、そんなことを言わないでくれよ、って涙ぐんでしまった。

     

    とまぁ「成功者が裏では苦労していた」なんて話もパターン化されているかもしれない。

    けれど、英国ロイヤル・バレエ団をやめた後の意外な紆余曲折。

    ロシアのTV番組に出た時「この人だれ?」という扱いを受けた、という話も、

    欧州ならではの事情や感覚が垣間見れて興味深かった。

     

    そして"Take Me To Church"を踊った時の心境と、公開後の周りの反応。

     

    私がグッと来たのは、彼が幼少期に通っていたバレエスクールに行くところ。

    花束持って行くんですよ。

    室内に入って、セルゲイを見た先生が「ああ、私の太陽」って言いながら彼を抱きしめるの。

    あったかかったな。ここ。

    教え子を出迎えた先生がとにかく嬉しそうで、その後ちょっと踊ってみたり、

    教室にいた子たちが照れ臭そうにしていたりと微笑ましくて。

     

    彼が今後も踊るかどうか、まではちょっとわからないけれど、

    こうして映像が残っている今、セルゲイ・ポルーニンというバレエダンサーはずっと語り継がれていくのだろうなと。

    そんなことを思った。

    医療関係者の親にすすめたら面白がってくれた/『はたらく細胞』

    • 2018.07.28 Saturday
    • 21:15

    JUGEMテーマ:漫画/アニメ

     

    アニメ「はたらく細胞」を観始めたら思いの外面白かった。

    特に血小板ちゃんがかわいい。ちょろちょろ動いてとてもかわいい。

     

    2話「すり傷」の回が面白かったので、親(元医療関係者)に感想を話してみた。

     

    私「『はたらく細胞』ってアニメが面白くてね」

    母「ふーん」

    父「へぇ」

    私「血小板が幼稚園児ぐらいの子供達で、

    『凝固因子は持ちましたかー?』(裏声)『はーい』(裏声)なんてやりとりすんのw

    ちゃんとフィブリンを投げて傷を塞ぐんだよ〜〜」

    母「えwww何それwwwww」

    父「なんだそりゃwww」

    私「Twitterで読んだ人が呟いてたけど、他にアクネ菌や乳酸菌のお話もあるみたい」

    母「あらそうなの〜〜〜www 買ってwwww」

    私「よしきた」

     

    そしてスピンオフ作品まで購入。私は本編の5巻まで読んでみた。

    【はたらく細胞 の面白いところ】

    ・基本的にノリがギャグ。

    ・各細胞の関係性は実際の働きに基づいて描かれており、読み応えも十分。

    ・誰でも経験する怪我や病気が題材なので「あの時の体はこうだったのか」と考えるのが楽しい....いや、楽しくないか。病気や怪我だし辛かったし(汗)。

    ・キャラクターの描きわけが丁寧。

    役割ごとの制服が決まっているものの、仕草や髪型が一人一人違うので「あ、この細胞あの時も出てきた」と発見がある。

    「デングウイルス」の回はもしかしてジョ●ョを意識?と思わせるほど、絵柄でのオマージュを感じる箇所も。

    ・血小板ちゃんが他の細胞と一緒にいるところが か わ い い し 和む。

    ・アニメでの原作再現度が高い。台詞のやりとりの背後にあるキャラクターの動きまでしっかり再現してくれているので感謝しかない。

     

    父も興味を持ったようで、ゆっくりとだが読み進めているみたい。

     

    父「まだ1巻の途中なんだけどな」

    私「お、読んでくれたの〜?」

    父「細かくて見づらいな。でも虫眼鏡で見てもな、漫画は面白くないからな」

    私「老眼鏡買えば?」

    父「...いましてるメガネが老眼鏡だ」

    私「.....」

    父「細かいところとか、もっとじっくり見たいんだがな」

     

    そういう人のために、「アニメ」という手段があるのかもしれない。

    「どうして漫画とアニメでおんなじ話をやるの?」と思う瞬間がたまにあるんだけど、

    表現方法が違えば届く層も変わるのかもしれない...とちょっとハッとした。

     

    父「読んでると、ちょっとなぁと思うことはあるんだが」

    私「いやその、漫画だからそこんとこは...」

    父「でも面白いな。『右は反対』っていうセリフから「あ、今いるのは左か」って思えるしww」

    私「あ、そっか」

    父「なまじ本物を知っているからなww」

    私「そういえば、「花粉症」の回でステロイドが放出され切った後、発射口から『ご利用ありがとうございました』って旗が出てるの気がついた?」

    父「えぇ!? 細かいぞおい...そういうのをしっかり見たいんだよなぁ」

     

    というわけでオススメ。

    作者の清水茜さん、プロフィールがほとんど公開されていないようなのだけれど、どんな人なんだろう...そこが気になる。

    今も忘れられない会話@韓国

    • 2018.06.17 Sunday
    • 09:58

    昨年9月、突発的に韓国に行ったことがある。

    目的は"NO LIMIT SEOUL"というアナーキストが集まるイベントで、パンクバンドのライブに行くことだった。

    結局「0泊2日」というクレイジー極まるスケジュールになりボロボロな状態で帰国。

    情けなくて「もう無茶はしない」と誓ったが、今でも忘れられない会話がある。

     

    バンド演奏の合間、会場にいた男性に話しかけられた。

    男性:「日本人?」

    私:「...そうです」

    男性:「いやぁ、演奏すごいよね」

    私:「ですよね」

    という感じ。会話は英語で、いたって普通。

     

    次のバンドの演奏の後、「上に行こう」と話す男性。

    「タバコですか?」と聞くと、「いや、外の空気を吸いに」という。

    「なるほど、OK」と行って私もついて行った。

     

    ライブハウスは地下にあるので、ガンガン盛り上がった後は熱気がこもり、暑くて蒸す。

    演奏の合間に妙に人がいなくなるなと思ったら、みんな外に出てタバコを吸ったり人と話したりして休憩していたのだ。

     

    男性に「どこからきたんですか?」と聞くと「ドイツから」と言っていた。

    「昨日別の空港からソウルまで乗り継いだけど、10時間近く飛行機の中にいたからもうクタクタで」と笑っていた。

    そのあとに男性から「何の仕事をしているの?」と聞かれ、ちょっと焦った。

     

    私:「えーっと...SEです。」

    男性:「SE?」

    私:「えーっと...ITの...その...System Engineerで」

    男性:「あ、それね。僕もだよ」

    そう言って会社の名刺を見せてくれた。

    でも、私はちょっと申し訳なかった。当時は入社後の研修が延長となり、

    プログラミングに対しては強烈な苦手意識があったからだ(今もだけれど)。

    だからプロフェッショナルなエンジニアとは程遠い。

    しかし、彼は瞬時に眉間にしわを寄せてこういった。

    男性:「え、日本のIT企業っていうと長時間労働が問題になっているけど、君は大丈夫なの?」

    びっくりした。

    「うん大丈夫、ちゃんと定時で帰ってるよ」と返した(気がする)。

    けど、何というか、私だったら「ドイツって〇〇が問題になっているけど、あなたのところは大丈夫?」と言えないと思ったからだ。

     

    その後も話が盛り上がった。いや、彼が話し上手だった、と思ったほうが良いかもしれない。

    硬軟織り交ぜた話題を次々に投げてくるのだ。

     

    男性:「日本語だったら『マツザカ』ならわかる。映画"Lost In Translation"でセリフにあったんだ」

    私:「ほほう、"Lost In Translation"ね、覚えとく」

    男性:「そうだ、"TAKESHI CASTLE"ってわかるかな」

    私:「タケシキャッスr...あ、『風雲たけし城』のこと!?!?」

    男性:「そうそう! ドイツで放送してるんだよ」

    私:「何で??(笑) 結構前のやつだよ」

    男性:「わかんないや(笑)。でもものすごく面白くてさ」

     

    男性:「ところで、日本の悪いと思うところって何かあるかな?」

    私:「え? ....えーっと...(たくさんあると思うんだけどどれから言えばいいかなそのあの)」

    男性:「僕は、ドイツ(注:ドイツ人、という意味で話していたかも)の悪いところって『自分の意見を他人に押し付ける』ところにあると思うんだよね。意見を言うだけ、ならまだいいけれど、他人まで全く同じ意見にしようと強制するのは良くないと思うんだ」

    私:「はぁ...その...」

    男性:「そうだ、逆に、日本の良いところってあるかな?」

    私:「え...その(どれがいいかな)」

    男性:「ドイツだとね(以下省略)」

     

    私はただ相槌を打つだけだったと思う。

    文章だけだと彼が一方的に話しているだけに見えるかもしれない。

    けれど、私が口を開くときはちゃんと目を合わせていて、話には頷いてくれた。

    私の話を聞いた上で、さらに話題を転がして行く人だった。

    そもそも、初めて会った相手を前にして話題が尽きないってところがもうすごいというか。

    私が考えているとき「そうだな...(Let me see...)」ってはっきり言えばもう少し待ってくれたかもしれない。

     

    ライブが終わってからご飯を一緒に食べた時、「ごめん、私そんなに会話返せなくて」と伝えてみた。

    すると彼はこう言ったのだ。

    「ううん、大丈夫。君の英語はよく聞き取れるし、僕の話も聞いてくれる。僕は話すことが楽しいから、気にしてないよ」

    ものすごくうろ覚えだけれど、好意的なコメントだったことは覚えてる。

    頭が良い、というか、紳士的な会話ができるってこういう人のことをいうんじゃないかな。と感じた夜だった。

     

    ちなみに「ちょっとお手洗いに行きますがとっさに英語で出てこなくてめっちゃ焦ったので、

    海外旅行の前に言い方を調べておくと現地で楽になる。とここに書いておきます。

    ※女性だと"I'll powder my nose"(鼻にお粉してきます)がスムーズなんだとか。

    NHKジャーナルのご視聴、ありがとうございました。/『グリム童話 ミリー』 #bibliobattle

    • 2018.04.14 Saturday
    • 22:06

    JUGEMテーマ:オススメの本

    JUGEMテーマ:ラジオ

     

    昨日のNHKジャーナル「文化流行」のミニ・ビブリオバトル、ご視聴ありがとうございました!

    様子はこちら↓ (聞き逃した方へ、まだ聴けます)

    http://www4.nhk.or.jp/nhkjournal/

    ひとまず、忘れないうちに感想を書いておきます。

     

    流れるように案内された夜のNHK。

    打ち合わせを一通り済ませてから、控え室で待っていました。

    とにかく、夜の放送局、という環境自体が新鮮で、ついキョロキョロとみてしまいました。

    記憶に頼りますが...スタジオは実際の番組収録・放送を行う密閉空間のブースと、その前に無数のモニターと機材が並べられたところ、かつその後ろに事務室のような場所がありました。

    画面にはNHKで放送中の番組だけではなく、他局でどんな番組が放送されているか、もわかるようになっています。

    (ここで「火垂るの墓」が放送されていたことに気がつきました)

     

    スタジオの周辺は、モニターを見つめ、資料を片手に合図を送る人たち、ブースから出てきて事務所らしき場所に戻る人。ただラジオを聴くだけではわからない、背後にいる無数のスタッフが無駄なく、キビキビと動いていました。

    本当は一人一人に「あなたの仕事はなんですか?」と聞いてみたかったのですが、

    そんなことをしたらお仕事の邪魔になるに決まっています。第一、私が不審者です。なので聞けませんでした。

     

    今夜、私が役割を終えてこの場所をでても、この人たちにはまだお仕事がある。

    ここは眠らない場所なんだろうなと、昔やっていた夜勤仕事を思い出しました。

     

    番組開始時、ブースに座ると緊張して、最初はつっかえつっかえでした。

    ただ、顔を上げるとキャスターの皆さんが目線を合わせてくださりますし、「うんうん」と頷き、私の声ひとつ一つに反応をくださる。「あ、聴いてくださっているんだ」という安心感から、そこから先は緊張がとけて滑りがなめらかになったような気がします。

    プロフェッショナルの聞上手が目の前にいる...しかも声がいい。

     

    ビブリオバトルって「この人に向けて話そう」と決めると、とても話しやすくなるような気がします。

    私はつい「自分の最高の紹介で会場を盛り上げよう」とか

    「自分は喋りがうまいんだぞ」って見栄を張った結果、肝心の紹介がおろそかになりがちなので反省です。

     

    さて、私が紹介したのは、ヴィルヘルム・グリム原作、モーリス・センダックが絵を描いた絵本。

    『グリム童話 ミリー -天使にであった女の子のお話-』(ほるぷ出版)。

    まだ小さかった頃、母に読み聞かせてもらった本の一つです。

    「花」というテーマをいただいた時に「そういえば」と読み返して内容がピタリと当てはまった本でした。

     

    うろ覚えで申し訳ないのですが、

    この『ミリー』というお話は、母親をなくした実在の少女ミリーに送られた物語だとされています。

    その後、ミリーの家族が持っていた物語が出版社に売却され、

    その物語を知ったセンダックが、5年の歳月をかけて絵をつけた...というのが本が作られた経緯だそうです。

     

    少女:ミリーを戦から守るため、母親はミリーを森へと逃がします。

    彼女は「3日経ったら、戻っておいで」という母の言葉を信じ、森の奥へと進みます。

    傷だらけの足でたどり着いた小屋で、ミリーは真っ白な顎髭を生やした老人:聖ヨセフと、自分そっくりの少女と出会います。

    食べるものを取るために働き、色とりどりの花に囲まれて、楽しく遊んだ3日間のあと、

    「もうここにいてはいけない」と言われて手渡されたバラの蕾を手に、ミリーは家へと帰ります。

    森を抜けて自分の住んでいた村へ戻ると、なんだか様子が違うし、人々もよそよそしい。

    そして家へ戻ると、玄関先に座っていた老婆がこう叫びます「ああ、私の娘が帰ってきた!」と。

    実は、ミリーが森で過ごした3日間は、ミリーの母親が戦争の辛酸をなめた30年にも及ぶ月日だったのです...。

     

    子供の時は、主人公が持っている食べ物(ケーキ)が美味しそうだな、ということや、

    ヒルガオに注いだぶどう酒はどんな味がするんだろう、といった事柄に興味が惹かれていましたが。

    10年以上経ってから読み返すと、ミリーの優しい言葉が心にしみいり、

    また、最後の母親の心境もわかるようになる、というのでしょうか。

    30年間を耐えたお母さんの苦悩と、それでも娘が無事でいてくれたことを信じたい気持ちと、願うなら再会したいという気持ち。

    私も同じ状況であれば、きっとお母さんと同じことを神様にお願いするかもしれません。

     

    バトル後はTwitterで感想を読みつつ、ずっとこの話について考えていました。

    終わって気がついたのですが、これは「終わりは恐怖するものではない」と伝えたい物語なのかもしれません。

    かといって、新しい始まりをやたらと強調することもない。

    ただ静かに、人間がたどる旅路を優しく描いたのではないか。

    個人ではどうあがいても変えられない「こうするしかなかった」という現実に、

    せめてもの幸せな終わりを作るための物語...ではないでしょうか。

     

    もちろん、それ以上の、全く別の解釈があっていいと思います。

    いまだに、何度も読み返せる素敵な絵本です。

     

    伊東さんが紹介してくださった『フローラ逍遥』、見せていただきましたが本当に素敵な本で。

    平凡社新書でありながら、目次から本文まで字体と配置にこだわっていることが伝わります。

    緻密な挿絵の花々も美しく、かつ博覧強記の澁澤龍彦エッセンスが凝縮された文章にめまいを覚えました。

    クロッカス、の項目は、確かに公共の電波には載せられません(笑)。

    ぜひ直接手にとって確かめてみてください。

     

    願わくばもう一度、挑戦者として出てみたい。

     

    あ、それでも、ビブリオバトルは是非!直接!対面で!やってみて欲しいです。

    ラジオはあくまでやり方の一つ。ほんとは喋る時間が5分なので、普段のビブリオバトルではあと2分長いんです。

    ぜひぜひ足を運んでみてください。

    全国各地の開催はこちらから。

    http://www.bibliobattle.jp/

     

    ではでは

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